
今回の展示のテーマは、萩原朔太郎の詩。
殺人事件
とほい空でぴすとるが鳴る。
またぴすとるが鳴る。
ああ私の探偵は玻璃の衣装をきて、
こひびとの窓からしのびこむ、
床は晶玉、
ゆびとゆびのあひだから、
まつさをの血がながれてゐる、
かなしい女の屍体のうへで、
つめたいきりぎりすが泣いてゐる。
しもつき上旬のある朝、
探偵は玻璃の衣装をきて、
街の十字巷路を曲がつた。
十字巷路に秋のふんすゐ。
はやひとり探偵はうれひをかんず。
みよ、遠いさびしい大理石の歩道を、
曲者はいつさんにすべつてゆく。
会場には、プログラムが備わっています。
この詩を読み返しながら、
絵と共にお楽しみください。
SAKAMOTO TATSUKI 絵画展
ー3輪の花と花瓶が1つ−
2月21日(木)〜26日(火)
11:00〜19:00(最終日〜17:00)
gallery坂
東京メトロ東西線神楽坂駅より徒歩3分
有楽町線江戸川橋駅より徒歩6分