三線の音色
2015年 06月 27日
昨夜、銀座駅構内で催された沖縄三線のライブを鑑賞した。
爽やかでおおらかな三線の音色と、南海の美しい旋律に、暫し酔いしれた。
今月23日は、沖縄慰霊の日だった。
ライブでも奏者の伊藤淳さんが「沖縄を語る上で避けて通れない日」と言った。
今月14日にNHKで「沖縄戦 全記録」という番組が放送された。
「地獄のすべてをあつめた」と表現される沖縄戦の凄惨の一端を見た。
埋め尽くす米軍艦の隙間から海の碧が煌めいたという言葉に、胸が締め付けられる。
私が沖縄の戦争に強い衝撃を受けたのは、吉村昭著「殉国」を読んだ折だが、
それ以降、沖縄を訪れると、今の美しく豊かな風土や文化に心洗われると同時に、
往時の様相を考えずには素通りできない現実が其処此処にあることを知った。
今年は戦後70年、余りにも無茶苦茶で固めた法律が
9月にも可決されるという公算がある。
戦前、なぜこんなものがつくられ成立したのか、と唖然とさせられる法律が幾多も存在した。
当時は、それらが必要不可欠と当然視される空気が
国を挙げて醸成された。
異論者に徹底した封殺が行なわれ、そして何より、国民の無関心が、結果としてこれを後押しした。
果たして、今はどうなのか。
沖縄の想いと抗いを、他国の出来事のように眺め、
眺めてすらいない「ヤマト」が存在しないか。
戦争を経験していない世代には「往時を偲ぶ」など
という生半可なことではなく、現実として存在した過酷な戦争を知ろうと努め、
辛くなるほどに想像力を働かせて自らに置き換える必要がある。
それを「今」と「これから」に生かさなくてはならないのではないか。
そうでなければ「いつか来た道」を、国民総出で歩むことになるのではないか。
そんなことを、強く思う。
Tenugui Exhibition 2015 板橋美紗子個展
2015年7月9日(木)〜21日(火)※15日(水)休廊
11:00〜19:00(初日13:00〜、最終日〜16:00)
gallery坂
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